メロデスガイドブック / 世界編 (Book)

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メロデスガイドブック / 世界編 (Book)

世界過激音楽 vol.22
A5 / 208ページ

全世界で吹き荒れるメロディの嵐!
もはやエクストリームメタルの入口でもあり、通過点でもあり、
出口にもなったといえるポータルサイト、ハブ空港的な存在に!
新興国でモダンメロデスが躍進、アメリカではメタルコアに進化、
日本では同人メロデスまで登場!

超メジャー級からローカルシーンでしか知られていないドマイナー級まで複数のレイヤーにまたがり、統一的なシーンを形成しているとは言い難いメロデスの全体像を把握する
Carcass リヴァープルの残虐王、メロデスの元祖としては賛否両論
Sadist プログレッシヴロック影響受けキーボード導入したイタリアの鬼才
Nightrage ギリシャ出身、スウェーデン移住しヨーテボリ・サウンド化
Nightfall  「パワーデス」標榜しゴシックドゥームに接近したギリシャの賢人
Disarmonia Mundi 天才マルチプレイヤー率いるモダンメロデス最前線
Arghoslent 反ユダヤ、白人至上主義を掲げる唯一無二のNSメロデス
Intestine Baalism 東日本を代表するブルータルメロデスのオリジネイター
Blood Stain Child 西日本を代表するモダン、フューチャー、トランスメタル
The Black Dahlia Murder メタルコアにも影響アメリカのパイオニア
Silence Lies Fear 近未来、終末感を纏うアゼルバイジャンのモダンメロデス

インタビュー Sadist, Nightfall, Aephanemer, Stortregn, Intestine Baalism, Blood Stain Child 等

コラム 「モダンメロデス」「デスラッシュ」「東方メロデス」「ジブリ」等

本書は『メロデスガイドブック』の第二弾となる。北欧編ではスウェーデン、フィンランド、デンマーク、ノルウェー、アイスランドとフェロー諸島を紹介した。今回は、それ以外の地域を対象に扱った世界編である。
既に刊行済みの『メロデスガイドブック 北欧編』では、メロディック・デスメタル(通称メロデス)の発信地であるスウェーデンのヨーテボリから始まり、それぞれの地域に分けてバンドを紹介した。その前日譚であるスウェディッシュ・デスメタルシーンや、ノルウェーのブラックメタルとの関係も織り交ぜながら、フィンランドやデンマークを含め、スカンジナヴィアのメタルシーンを総括的に振り返った。ヨーテボリを発祥とするメロデスの「種」が撒かれ、世界でどのように影響を及ぼしたのか? そこに迫っていくことが、続編となる『メロデスガイドブック 世界編』の目的になる。
今でこそメロデスという便利な言葉によって、「メロディーを取り入れたデスメタル」は容易にカテゴライズされ、体系化されている。しかし、北欧編で紹介した国以外でもメロデスという名前がつかないだけで、「メロディーを取り入れたデスメタル」は確かに存在していた。例えば、一般的にはゴシックメタルの記念碑とされるParadise Lostの『Gothic』も、デスメタルにメロディーを取り入れた作品である。他にも、最初にデスメタルシーンでキーボードを導入したバンドとして、Nocturnusの名前が挙げられる。しかし、両者とも現在の基準で「メロデス」と扱われることはないだろう。
最も賛否両論となる例が、Carcassだ。4thアルバム『Heartwork』がメロデスの元祖であるという評価を受ける一方、この作品をメロデスとして扱うことに違和感を持つリスナーもいる。ここではその結論を急がないが、「メロディーを取り入れたデスメタル」というだけでは、メロデスにはなり得ないパラドックスが存在する。『メロデスガイドブック 世界編』では、もちろん既存のメロデスを扱うが、北欧編では扱わなかったテーマの一つ「メロディーを取り入れたデスメタル」という、広義のデスメタルの補完も目指している。
『メロデスガイドブック 世界編』は、北欧編のように歩道が整備され、見通しの良さを目指した本とは立ち位置が異なる。歴史の勝者であるスカンジナヴィアのシーンの輝きによって、見逃していた領域に光を照らしていく。本書は世界編だけでも内容は独立しており十分に楽しめるが、発売中の『メロデスガイドブック 北欧編』を購入していただければ、よりメロデスに対する理解は深まるだろう。

以下は北欧編とも重複するが、再度掲載する。
メロデスは曖昧さによって拡張したジャンルだ。掲載されたバンドの中にはメロデスとは言いがたい作品もあえて掲載している。本書の選定方針はメロディーの有無に留まらず、制作された時代の背景や重要度、既存のデスメタルから脱却しようとする先進性、そしてクオリティ。それらを総合的に判断して決めている。本シリーズは書籍のフォーマットで、紙面が許す限りその網羅を目指している。なお、今ではメロデスは海外でも「Melodeath」で通じるほどに定着している。なので本シリーズは『メロディック・デスメタル・ガイドブック』ではなく、親しみやすさがある『メロデスガイドブック』というタイトルを採用した。

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3,080円(内税)

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